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変性したSOD1の酸化促進性獲得:酸化触媒となる金属配位構造を示しました

  • 孝和 中林
  • 2017年5月13日
  • 読了時間: 1分

筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症要因となるタンパク質の一つとして、抗酸化タンパク質であるSOD1の変異体が指摘されています。私達のグループでは、ALS関連SOD1変異体は、CuとZnが欠損したapo体になることで、変性体に構造変化をすること、得られた変性体がCuと再結合することで、強い酸化作用が生じることに着目し、SOD1の変性に伴う酸化促進性獲得とALSの発症との関係について検討しています。本研究では、ALS関連変異SOD1の変性体の酸化触媒となる金属配位構造を検討し、抗酸化タンパク質であるSOD1が変性によって酸化活性を得る機構について検討しています。Cu配位部位について、配位しているヒスチジン残基の数が一つ減少するのみで、抗酸化作用から酸化作用へとドラスティックに変化することを提案しています。

The structural analysis of the pro-oxidant copper-binding site of denatured apo-H43R SOD1 and the elucidation of the origin of the acquisition of the pro-oxidant activity.

Phys. Chem. Chem. Phys. 18 (2016) 4468.

N. Fujimaki, T. Miura, T. Nakabayashi

doi: 10.1039/c5cp07729j.

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