Rasタンパク質のクラスター生成機構:相互作用を行うガレクチンのクラスター化によって生成することを提案
Rasタンパク質内にあるファルネシル基のモデル化合物を用いて、レクチンであるガレクチン-1 (hGal-1)とRasタンパク質との相互作用について検討しました。PAGE、自家蛍光寿命測定などから、hGal-1はファルネシル基と結合することにより、速やかに自己会合(クラスター化)を生じることを示しました。RasはhGal-1との相互作用によってRasクラスターを形成し、細胞増殖などの細胞内の情報伝達を行うことが知られています。本研究から、Rasがファルネシル基を用いてhGal-1と相互作用を行い、相互作用に伴うhGal-1のクラスター化によって、Rasクラスターが生成するというモデルを提案しました。
Generation of Self-Clusters of Galectin-1 in the Farnesyl-Bound Form.
Scientific Reports, 6, 32999 (9pages) (2016).
K. Yamaguchi, Y. Niwa, T. Nakabayashi, H. Hiramatsu
doi: 10.1038/srep32999