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ナノ秒パルス電場(nsPEF)を用いた細胞制御:NADHの自家蛍光寿命から細胞内環境変化の計測に成功

  • 孝和 中林
  • 2017年5月20日
  • 読了時間: 1分

ナノ秒パルス電場(nsPEF)を細胞に印加することによって、細胞膜を傷つけることなく、細胞内の状態を変化させることができ、メカノバイオロジーの一つとして疾病の治癒などへの応用が提案されています。私達は、補酵素NADHの自家蛍光寿命イメージング(AFLIM)から細胞内の様々な環境変化について検討しており、本研究においても、nsPEFの印加による細胞内環境変化について、NADHのAFLIMから検討しました。AFLIMの長所は、ラベルフリーかつ高感度に細胞内環境変化を検出できることにあります(参考文献1)。nsPEFの印加によってアポトーシスが進行し、NADHの自家蛍光寿命の時間変化から、カスパーゼ活性によるアポトーシスがnsPEFの印加によって進行することを示しました。またパルス幅が短いほど自家蛍光寿命の変化量は大きく、短パルスでは効率的に細胞内環境変化を誘起できること、NADHの自家蛍光寿命から細胞内状態をその場検出できることを示しました。

Effects of Nanosecond Pulsed Electric Fields on the Intracellular Function of HeLa Cells As Revealed by NADH Autofluorescence Microscopy.

ACS OMEGA, 1 (2016) 396.

K. Awasthi, T. Nakabayashi, N. Ohta

doi: 10.1021/acsomega.6b00090

(参考文献1)

Application of Nanosecond Pulsed Electric Fields into HeLa Cells Expressing Enhanced Green Fluorescent Protein and Fluorescence Lifetime Microscopy.

The Journal of Physical Chemistry B, 116 (2012) 11159.

K. Awasthi, T. Nakabayashi, N. Ohta

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